18年アルバム10選+α

完全に個人的な好みです。英→米→日の順です。


1. Suede 『The Blue Hour』


Suedeの8th。個人的に今年No.1のアルバムはこれですね。たぶん一番聴きました。基本的には前作Night Thoughtsの進化系といった感じですが、コンセプトアルバムとしても、楽曲単位でも前作を上回る出来だなという印象。2つのインタールードや、曲の前後に入っているSE、叫び声なども非常に効果的に使われていて、アルバムの統一感を増すために一役買っています。この「Life is Golden」なんか最高に美しい一曲ですわん。今作は再結成後Brett AndersonがSuedeとしてやりたかったことの集大成なのかな?なんてことも思ったり。Suede独自の音楽、美学を追求していっているようで嬉しい限りです。
お気に入りは#14 Flytipping



2. Franz Ferdinand 『Always Ascending』


5人編成になってから初のアルバム。Nick McCarthyが脱退して次のアルバムはいったいどうなる!?と無用の心配をしましたが、本当に無用だったようです。老けたのではなく、より成熟したフランツ流踊れるロックが聴けます。シンセマシマシなサウンドで今まででもっとも音数的にカラフルな印象。バンドとしてもまだまだ進化していってくれるんだろうなという期待感も抱かせてくれますね。来日公演も最高でした。ありがとうアレックス。
お気に入りは#9 Feel the Love Go



3. Pale Waves 『My Mind Makes Noises』


マンチェ産4人組みのデビュー盤。最初通して聴いたときはビジュアルもあってやっぱりThe Cureの”陽”の部分を抽出したような音楽かな、というような印象を受けましたが、彼らそんな安っぽい表現に収まるバンドなわけがなかった。突き抜けるようなポップさ、普遍的なポップさは、The Cureやほかのバンドと比較する必要がないほど、もうすでに圧倒されるようなモノを持ってます。気に入った方は、このアルバムを出す前にリリースしたEP『All the Things I Never Said』も聴いてみてください。そして来年2月には単独来日公演がありますね。ちなみに収録曲「One More Time」では\スッパーン/が聞けます。
お気に入りは#12 Kiss



4. Gruff Rhys 『Babelsberg』


Super Furry AnimalsのフロントマンGruff Rhysのソロ5枚目。Gruffの作品にはもう安心感さえありますよね。SFAでの奇天烈なポップさみたいなモノよりは、もっと身近なポップネスを感じる作品に仕上がっているように思います。ひたすらいい曲が並んでいて、なんていうかもう癒しを感じますよね。やっぱりGruffはすげえよ。このアルバムをリリースした後に発表した、NHS70 festivalのために書かれた曲「No Profit in Pain」もすごい好きです。ソロで精力的な活動を続けてくれているのは嬉しいのですが、そろそろバンド本隊でも何か新しい動きがほしいなーって(来年でSFAとして最後にリリースしたスタジオアルバムから10年ですよ、10年!) (今年BBCセッションのリリースはありました)
お気に入りは#4 Limited Edition Heart



5. Alice in Chains 『Rainier Fog』


William Duval加入後の3作目。もう完全に馴染んでますWilliam。アルバム収録曲で唯一そのWilliamが書いた曲である「So Far Under」が、個人的にもっともアリチェン節を感じる曲に仕上がっててなんかもう最高だなという感じです。Layneがいたときの病的な要素は薄くなってきている気がしますが、それは歓迎すべきことだと思っています。それはつまりLayneの幻影にはもう囚われていないということと同義だと思うからです。まさしく今のアリチェンを感じされる作品です。どんどん進んでいってほしい。
お気に入りは#4 Fly



6. Vinyl Williams 『Opal』
※市場は出てこなかったため未掲載

Lionel Williamsによるソロ・プロジェクトの4枚目フルアルバム。今作も浮遊感のあるサイケなドリームポップを聴かせてくれます。そしてまた絶妙にポップでカラフル。いつまでもこの世界観に浸っていたくなるような気にさせてくれる曲たちが並んでいます。このジャケットも幻想的で、フワフワした印象をさらに強めてくれますね。自分が求めていたサイケポップ、ドリームポップはこれだ!感満載で最高です。Vinyl Williamsの最高傑作では?
お気に入りは#2 Noumena



7. UNISON SQUARE GARDEN 『MODE MODE MODE』


このアルバムに収録されている全12曲のうち、配信限定も含めるとシングルの曲が4曲もあるんですよ。しかもそのすべてがタイアップ曲という。それなのにアルバム全体のまとまりをまったく壊していない絶妙なバランス。むしろそれらのシングル群によって、よりまとまりが出ているような気さえします。「フィクションフリーククライシス」→「Invisible Sensation」への繋がりなんて最高すぎて声出ました。ユニゾンの歴代のアルバムの中でもトップクラスに好きな作品になりましたね。先月にも新しいシングル出してとどまるところを知りませんね、ユニゾン。このまま突っ走っていってほしい。
お気に入りは#3 オーケストラを観にいこう



8. Homecomings 『Whale Living』


平賀さち枝とホームカミングス』名義を除いて、これまでずっと英語で歌ってきた彼らが、日本語のアルバムを出すと聞いたときは期待半分不安半分でしたが、これも無用の心配だったようです。このアルバムでは最高のソフトロックを聴かせてくれます。アルバム全体にやさしい時間が流れていて、聴いていて非常に心地いい。曲順もよくて曲がスッと入ってくるような感覚があります。映画『リズと青い鳥』の主題歌で、アルバムの最後に配置された唯一の英詩の曲である「Songbirds」もまったく浮いていなくて、素晴らしいですね。「The Blue Hour」をはさむように配置されたインタールードもいい仕事をしています。福富さんが「Songbirds」のイメージを膨らませようというときに僕自身大好きなバンド、Teenage Fanclubの『Bandwagonesque』をたまたま聴いていたというエピソードがたまらなく好きです。
お気に入りは#4 Parks



9. Wallflower 『Ever After』


大阪発インディーポップバンドの1stフル。EPを出したのが2012年だったので、ずいぶんマイペースに活動してきたんだなあという感じですが、内容は抜群に良いです。クリーンなギターと、文字通りキラキラしたシンセが奏でる王道のインディーポップですが、単純に曲のクオリティが高い。ギターポップ、インディーポップっていうのはそれだけで最高なんですよ。収録曲「Golden Daffodils」のアウトロなんか、Feltを彷彿とさせる美しいアルペジオを聴かせてくれてうっとりしちゃいます。アルバム自体も、全9曲30分で勝手にFeltっぽさを感じて好感度アップでした。
お気に入りは#9 Thru the Night



10. ビッケブランカ 『wizard』


めちゃくちゃポップで楽しい2ndフル。もちろん楽しい曲だけではなく、しんみりしたバラードも入っていますが、それ以上に楽しい気分にさせてくれる作品です。CD再生して一曲目「Wizard」を聴いたときは、!?となりましたが、それ以降はどんどんビッケブランカワールドに引き込まていきました。全曲高水準のポップソングで飽きさせない作品ですね。収録曲「Buntline Special」は現在放送中のアニメ『Double Decker! ダグ&キリル』のために書き下ろされた曲だそうですね。このアニメ普通にめちゃめちゃ面白いんですが、Franz FerdinadやらPulpやらのアルバムジャケのパロが出てきて、そういう意味でも楽しんでます。
お気に入りは#4 Lights Out




+αはこれ。
シングル
ハルカトミユキ 『17才』 


自分はアニメが好きでよく見るのですが、どんな内容なのか、声優さんは誰なのか、OPEDは誰なのか、など全然下調べせず見てからのお楽しみみたいな感じで見るんです。そして『色づく世界の明日から』のOPとしてこの曲がテレビから流れてきたときの衝撃はすごかったですね。ハルカトミユキがアニメのOPを!?というのもあったのですが、それ以上に映像と楽曲のマッチ具合にびっくりしました。P.A.WORKSによる美麗な画と、爽やかなハルカトミユキがこんなにも合うのかと食い入るように見てしまいました。アニメのOPでこんなに衝撃を受けたのはいつ以来だろうっていうような思いもありましたね。

B面の「朝焼けはエンドロールのように」は、何かのインタビューで彼女たちが「自分たちの自己紹介になるような曲」と言っていて、まさにその通りだなと思いつつも大好きな曲ですね。このシングルに収録されている曲はすべてミユキ氏による作曲で、ハルカトミユキのグループとしての可能性がさらに広がったように感じるCDでした。

あと『色づく世界の明日から』は今季トップクラスに好きな作品ですね。未視聴の方はぜひ見てみてください!