もう1週間経ってしまいましたが、2025/1/4と1/5に幕張メッセで行われました音楽フェス「rockin'on sonic」(以下ロキソニ)に行ってきました。
洋楽に限定して主に90年代~00年代に大きくヒットを飛ばしたアーティストから、近年目立った活躍をしているアーティストまで、意外に幅広くラインアップした本フェス。結論から言うと大満足の内容でした。
ラインアップは言わずもがな、新旧問わず自分の好きなアーティストを集めまくったご褒美のような内容。フードやお手洗いも並ぶことがなく、ステージ間の導線もしっかりしていて、あらゆる面で非常に快適でした。
また、開始前から来場者は高年齢層ばかりになるのではないか、と言われていましたが、自分含め20代ぐらいの人間をかなり見かけたので、そこまで偏っていないのではないかと思っています。(自分の主観でしかありませんが・・・)
それでは、以下に各アクトの簡単な感想を書いていきます。(ラインアップは記事冒頭に貼ってあります公式サイトをご確認ください)
1日目 1/4(土)
LUVCAT
しょっぱなから申し訳ないんですが、入場及び物販列待機のため、ほとんど観られませんでした。グッズ購入後、お昼を食べているときに音漏れでちらっと聴いてたぐらいです。
実はFriendly Firesはあまり通っていなくて2ndを聴いたことがあるぐらいだったんですが、めちゃめちゃ踊れました。全然詳しくない自分でもすぐにわかるくらいのダンスアクトなんですが、シューゲイズ的な要素もあるのが意外で、すごく楽しめましたね。各楽曲の高揚感が半端じゃなくて、最初から最後までテンションMAXで駆け抜けてくれました。
躍らせることに特化しているということもあって、リズム隊の強固さ、ファンキーかつ力強いギタープレイを堪能出来て最高でしたね。あとボーカルのクネクネダンス。めちゃめちゃ楽しそうでよかった。
The Snuts
昨年の単独公演は行けなかったので、ライブを観るのは今回が初めてだったんですが、めちゃめちゃカッコよかった。キャッチーで思わず歌いたくなるメロディに、かっちりしたギターサウンド。抜群のギタ-・ロックというのは分かっていたんですが、ライブで聴く彼らのサウンドは想像以上にスケールが大きくて驚きました。ダンサブルな要素もあるので、Friendly Firesに続きこっちでも踊れてしまうという罠。バンドアンサンブルという点でも、非常に完成度が高くて最高のライブバンドでした。
ギター・ボーカルであるJackの若手とは思えないあの貫禄、なんなんだろう。
エモのレジェンド、Jimmy Eat World、もう最高でした。『Bleed American』からの曲が中心でしたが、"Something Loud"や『Futures』の"Work"、"Pain"なんかもやってくれましたよ。Jimmy Eat Worldで初めて聴いたアルバムが『Futures』だったので、感慨深いものがありました。欲を言えば『Clarity』からの曲ももっと聴きたかったんですが、限られた時間の中でベストといえるセットリストだったんじゃないかと思います。グッドメロディのエモーショナルな曲をデカい音で聴かせてくれる、それだけでいいんです。"Sweetness"の大合唱はたまりませんでしたね。
中でも彼らの曲の中で一番好きな"Lucky Denver Mint"を聴けたのが何より嬉しかったです。イントロがなった瞬間声を上げてしまいました。そして締めは"The Middle"と。いやあ楽しかった。
大好きなバンドですが、何気に彼らのライブを観るのも初めてだったので感無量でした。
Wednesday
轟音オルタナでありながらカントリーであるという、かなり特殊な位置にいるバンドですが、別格のライブでした。Karlyの繊細ながらエモーショナルなボーカルに、MJ Lendermanの抜群のギタープレイ、そこに加わるXandyのスティール・ギター。月並みですが、生で聴くとパワーが違いすぎて聴きどころしかない圧巻の内容でした。"Hot Rotten Grass Smell"や"Chosen to Deserve"のプレイを観られて最高です。轟音サウンドとカントリーサウンドの切り替えがシームレスすぎてそこもビックリ。
エモーショナルでありながらも、どこかだらっとした雰囲気もあって、やはり非常に特異なバンドだと再認識しました。やはり轟音・ノイズは健康に良い・・・
3年前のSummer Sonic Extraの大阪公演以来2度目のプライマルでしたが、楽しすぎました。昨年の暮れにリリースされた新譜、『Come Ahead』がめちゃめちゃ良かったので期待していましたが、想像以上でした。
新譜で一番好きな曲である"Love Insurrection"からスタートして、この時点で大興奮でしたが、続いて演奏されたのがまさかの"Jailbird"。新譜の曲が続くのかと思っていたので、面喰いましたね。
プライマルで一番好きなアルバムは『Vanishing Point』なんですが、そこから"Medication"をやってくれたのが嬉しいサプライズ。もちろん生で聴けたのは初めてだったので、本当にありがとうございました。終盤は"Loaded"から名曲連発ノンストップで走り切りました。
そして今回は、なんだかBobbyがかなりご機嫌な様子に見えたのも印象的でしたね。ステージの両端まで来てくれたり、観客にkill youしたり、ニコニコしていたのでこっちも嬉しくなりました。前回の単独より楽しかったです。あと、還暦超えても体系維持して、あのキラキラスーツ着こなすのやっぱりすごいっす。
St. Vincent
Pulpを前方で観たかったため断念。
1日目終了後にXを眺めていたら、とにかく凄まじいパフォーマンスだったということで観なかったことを後悔。
ロキソニに行った一番の目的と言っても過言ではないPulp、素晴らしかったです。
日本語字幕付きの粋な演出から"I Spy"で始まり、2曲目に超名曲の"Disco 2000"。Pulpで一番好きな曲がこの"Disco 2000"なので、間違いなくこの日最も楽しい瞬間でした。飛び跳ねまくり、歌いまくりで、この時点でかなり疲れてしまいましたが、この後も聴きたかったあの曲この曲を聴けて感無量でした。
予想通り『Different Class』からの曲が大半でしたが、"This is Hardcore"や『His 'n' Hers』からも選りすぐった名曲をやってくれて、本当に聴きたかった曲は大体やってくれたんじゃないかというレベルです。本編ラストは『We Love Life』の"Sunrise"で、演奏する前にJarvisが日本語で「日の出」と言ってくれたのが印象的でした。曲名の通り美しい日の出の演出の中、クネクネ踊るJarvisの姿が目に焼き付いています。アンコールでは3曲やってくれて、もちろん最後は鉄板の"Common People"。言うことなしです。ここ日本でも"Disco 2000"と"Common People"で大合唱が起きたのが感動でした。
MCでは日本語をしゃべってくれたり、カタカナでハローと書かれたうちわを持ってきたり、Jarvisのポケットの中身プレゼント回があったりと、エンタメ性も抜群で楽しさ極まってました。
後追い勢の自分からすれば、まさかPulpのライブを日本で見られる日が来るなんて思っていなかったので、本当に嬉しかったです。好きでい続けて良かった。
(大阪の単独断念したのかなり後悔してます・・・)
2日目 1/5(日)
Monobloc
米NYの新人バンドで、もちろん初来日。The StrokesのJulian味を感じるボーカルに、The SmithsやJoy Divisionを感じるサウンド。前述の通りUSのバンドですが、かなりUKポストパンクを感じる音で、ちょっとドストライクすぎました。メロディも良いし、何よりギターのアルペジオが本当に好みの音で、大好きなバンドがまた増えました。
今後の活動が本当に楽しみです。早くアルバム出してくれ!
昨年のフジロック以来3度目のジザメリ。俯き加減のJim、淡々と演奏するWilliamと、安定のステージでしたが、フジの時より仕上がっているように感じました。
"Happy When It Rain"などを混ぜながら、序盤に新譜からの曲を固めて後半に往年の名曲を演奏するという構成でしたが、まさかの"Sidewalking"という渋い曲をやってくれたのが印象的でした。とは言ってもやっぱり終盤の"Head On"、"Just Like Honey"、"Reverence"での盛り上がりは半端なかったです。特に"Reverence"のノイズまみれの轟音アウトロは、シチュエーションも相まって最高の瞬間でした。
暗闇の中の轟音、やっぱりジザメリは薄暗いステージがよく似合います。
お手洗いやお昼の兼ね合いもあってフードエリアでのんびりしながら聴いてました。音源の方も全然聴いたことがなかったのでステージに行きたかったんですが、この後のことを考えて断念。漏れ出てくるバキバキのエレクトロサウンドの誘惑に耐えてながら、ご飯いただいておりました。
2年前のSuedeとのジョイントツアー以来2度目のマニックス、熱かったです。往年の名曲をズラッと並べたセットリストで、最近のアルバムからはあまりやってくれませんでしたが、それでも大満足。彼らの中で一番好きな曲"Motorcycle Emptiness"と、代名曲"A Design for Life"を聴けたのはやはり感涙もの。何気に好きな"You Stole the Sun from My Heart"をやってくれたのも嬉しかったです。
Jamesのギターストラップが、歴代のアルバムジャケットを並べたデザインになっていたのが熱かったですし、Nickyは相変わらずオシャレ番長でした。というか、Jamesは本当にギター上手すぎ&声量オバケですごい。あんなにクルクルしながらあのフレーズをさらっと弾くのおかしいですよ。
The Lemon Twigs
なかなか機会がなく、念願叶って観られた今回、良すぎました。
グッドメロディに美しいハーモニー、そこに重なる瑞々しい12弦と弾けるリッケンバッカーの音。もう好きな要素しかないです。音源で聴くハーモニーが完璧すぎるので、ライブではどうなのかと思っていましたが、鉄壁過ぎました。演奏もめちゃめちゃ上手くて、本当に隙がない。
近作中心のセットリストで、オープニングの"My Golden Years"から"The One"、そこからシームレスに"In My Head"へ続く流れは圧巻でした。一番好きな曲が"The One"なので、冒頭から楽しさMAXでしたね。未発表の新曲もいくつかやってくれましたが、その曲がまた良くて早く音源で出してほしいです。
マルチプレイヤー揃いのバンドということで、途中でMichaelがドラムに、Brianがベースに回ったりと、エンタメ性も抜群で、本当に楽しかったです。たびたび足を大きく上げるMichaelのアクションも良かった。
後で知ったんですが、リハでThe Brydsの"I'll Feel A Whole Lot Better"をまるまるやったらしく・・・ がっつりマニックスを観ていたので聴けませんでした。
(Pulpの単独断念したのをかなり後悔したので、こっちの単独は行きました)
ずっと大好きだったんですが、今まで観る機会がなく、こちらも念願かなって観られました。
現時点で最新の『Asphalt Meadows』の"I Don't Know How I Survive"から始まったんですが、このときの演出がBen 1人にスポットライトが当たるもので、一気に引き込まれました。年明け早々に聴く"The New Year"はやはり格別でしたね。そこからさらにアグレッシブな"The Ghosts of Beverly Drive"に続いて、感傷的な気分と楽しい気分が混ざり合った、おかしな気持ちで聴いていました。
そして中盤にまさかの"Tiny Vessels"→"Transatlanticism"の流れがあって、ちょっと泣きそうに。"Transatlanticism"はデスキャブで一番好きな曲ですし、この曲でギターを置いたBenがステージの端から端まで歩いて手招きをしながら歌う様は、本当にグッときました。"I Will Follow You into the Dark"でのBenの弾き語りも素晴らしかったです。ラストは"Soul Meets Body"で締め。文句のつけようもないセットリストだったと思います。
ステージの上で激しく体を動かしながら歌うBenの姿がイメージと全然違って、すごくアグレッシブなバンドなんだなということを認識させられました。
単独来日も是非お願いします。
Cigarettes After Sex
1stのころから好きなバンドなんですが、こちらもライブを観るのは初めてでした。
ドリーミーで浮遊感のあるサウンドは音源通りでしたが、生で聴くと格別でしたね。文字通り彼らの奏でる甘い音楽に浸る体験で、外界から切り離された異なる空間にいるような感覚でした。
また、ラストから2曲目の"Dreaming of You"では、轟音シューゲイズのようなアウトロを聴かせてくれて、音源では体感できない彼らの一面を堪能できたように思います。
演出、機材、衣装すべてがモノクロで、バンドの持つ甘く退廃的な世界観をビジュアルでも表現しきっていて、没入感がすさまじかったです。
一昨年のフジロック以来、2度目のWeezer、演出も相まって非常に楽しいステージでした。
前回はオールタイムベスト的な内容でもちろん良かったんですが、今回は『Blue Album』30周年に合わせたもので、やはり特別です。と言いつつ、前半は"Island in the Sun"や"Perfect Situation"等の名曲を混ぜた『Pinkerton』からの曲が中心の内容でした。正直これけでも最高なのに、この後に『Blue Album』の再現が待っているんですから、めちゃめちゃ贅沢なセットリストですよ。
"Across the Sea"で締めて演出を挟んだ後に流れる"My Name is Jonas"のイントロ、反則です。悔やまれるのは"No One Else"が飛ばされて聴けなかったことですが、それ以外は言うことなしのライブでした。"Buddy Holy"の楽しさ、"Say It Ain't So"のエモーショナルさはやっぱりモノが違います。アルバム30周年記念なので当然と言えば当然なんですが、"Only in Dreams"の長大なアウトロがこのフェスの大トリになるのは、やはりグッときました。
Weezerの『Blue Album』は洋楽にハマるきっかけを作ってくれたようなアルバムなので、今回のライブは自分にとって本当に特別なものになったように思います。ありがとうWeezer。
あとRiversの日本語MCは相変わらず流暢で可愛かったです。
両日とも大好きなアーティストが揃っていながら、ライブは初めて観るアーティストが多かったので、大満足どころの騒ぎじゃありませんでしたよ。ありがとうロキソニ。こんな感じのラインアップで続けれくれたら本当に嬉しい。
被りなしのタイムテーブルは本当に素晴らしいんですが、ご飯を食べる時間がないのは悩ましいポイントでした。とは言ってもずっと立ちっぱなしは辛くなるので、どこかで妥協して休憩する必要があったのは間違いないです。気合と体力が続けば、全アーティストを観ることは可能ですが・・・
山崎洋一郎氏の作ったプレイリストも素晴らしかったです。昨年のフジで観たことが影響しているか、The Killersの"Mr. Brightside"が流れたことが特に記憶に残っています。
是非とも来年以降も続けていってほしいです。
(年始早々に大阪から幕張へ行くのは正直キツイものがありますが、開催されるのであれば行きたいですね)